こんにちは。
あなたの人生をほんのちょっと豊かにするトラベルライターの菊池です。
GoToキャンペーンも始まりましたので、各地の情勢にはしっかりと気をつけつつ観光業の落ち込みで大変な方々を少しでも助けていきたいですね!
さて今週の水曜日はいつもの腹ペコレポートからひと味変えて、ちょっとした地理の授業をしたいと思います。
そう、たまにある「人生を過ごす上では特に必要ない情報の押しつけ」回ってことですよ!
そしてめっちゃ長い!!!
○○名が付く駅が日本一多い愛媛県
車社会の愛媛県とはいえ、鉄道にまったく乗ったことがないって人はいないのではないでしょうか。
愛媛県は香川県から予讃線が県を横断して宇和島まであり、宇和島からは高知県の窪川へ向けて予土線が走っています。
あと、松山市の周辺に伊予鉄がありますね。
乗り降りする駅には、当然のように名前が付いています。
松山駅とか、宇和島駅とか。
菊池の住む四国中央市富郷町から一番近いのは伊予三島駅です。
去年の鉄道記事も伊予三島駅からスタートしています。
で、その伊予三島駅とかに着いている旧国名の「伊予」。
全国にはこの旧国名が付いている駅がたくさんあります。
高知県だと土佐山田駅とか、徳島県だと阿波池田駅とか。
有名なところだと神奈川県の武蔵小杉駅とか聞いたことがあると思います。
武蔵国は結構広いので、東京都に武蔵小金井駅が、埼玉県に武蔵浦和駅などがあります。
この旧国名が付いている駅は、日本全国に割といっぱいあります。
そして、実は愛媛県の旧国名である「伊予」が付く伊予○○駅の数は、この旧国名が付く駅シリーズの中では日本一多いのです。
予讃線では香川県側から順番に、伊予三島、伊予寒川、伊予土居、伊予西条、伊予氷見、伊予小松、伊予三芳、伊予桜井、伊予富田、伊予亀岡、伊予北条、伊予和気、伊予横田、伊予大平、伊予中山、伊予立川、伊予上灘、伊予長浜、伊予出石、伊予白滝、伊予大洲、伊予平野、伊予石城、伊予吉田と24駅あります。
さらに予土線にも伊予宮野下駅があり、県内のJRで合計25駅もあります。
こちらは東予を除く一部ですが、結構多と気がつくと思います。
あと、伊予市駅もありますが、こちらは旧国名が付いている駅ではあるのですが現行の自治体名なので今回のカウントからは省きました。
※現行ではない自治体名の駅である伊予三島駅は入れました。
愛媛県のJRの駅数は全部で83駅なので、実に3駅に1駅が伊予○○駅であるといえます。
ちなみに香川県は48駅中「讃岐○○駅」は7駅、徳島県は75駅中「阿波○○駅」は15駅、高知県は54駅中「土佐○○駅」は12駅です。
※高知県の土佐くろしお鉄道にも土佐○○駅は4駅ある。(上記数字には入れていません)
駅名の由来はだいたいはその土地の名前なのですが、すでに先行して同じ駅名がある場合は旧国名が付くことが多くあります。
予讃線の開業は香川県側から順番に進んできていて、一番最初に川之江駅ができたのが大正5年、松山駅まで伸びたのが昭和2年、八幡浜駅まで伸びたのが昭和14年、最終的に宇和島までつながったのが昭和20年です。
一方の予土線は実はもっと早く、宇和島駅から近永駅まで開業したのが大正3年のことです。
開業当時は私鉄の宇和島鉄道でした。(その後、国鉄になった)
東京の新橋駅と神戸駅がつながったのが明治22年ですから、だいぶあとだったことが分かります。
(一番古いのは大阪の南海電気鉄道)
そんな事情もあって、駅ができたところの地名がすでに他の地域で使われていたことも多くあったんじゃないかと推測され、伊予○○駅は多くできあがったのではないでしょうか。
伊予が付かない駅はどこにあるのか?
伊予○○駅の○○だけの部分はどこにあるのか気になりますよね?
え?ならないの?まあまあそう言わず。
というわけで、伊予が付かないとどこにあるのかってのはこんな感じになっています。
自治体名も三島市です。
菊池の鉄道旅はだいたいここから。
ちなみに伊予が付くと「さんがわ」ですが、付かないと「さむかわ」駅と読みます。
越後寒川駅という駅も新潟県にありますが、こっちは「かんがわ」駅です。
あと、大阪府にある京阪電鉄にも同じ名前の駅があります。
ただし、一番古いのは伊予土居駅です。
瀬戸内海を挟んで比較的近いのでわりと有名ですね。
ちなみに長野県にも同じ漢字の「にしじょう」駅があります。
寒ブリで超有名なところですね!
空港や自衛隊の基地もあるので知っている人も多いのではないでしょうか。
ただ、このあたりで「みよし」といえば広島県三次市や徳島県三好市などを連想するのであえて伊予と付けたんじゃないかと思います。
文字ならともかく口頭じゃ差が分からないですし。
他に、大阪府の阪急電鉄や愛知県の名古屋鉄道にも同じ名前の駅があります。
ちなみに同じ漢字の「とみだ」駅は三重県に、「とんだ」駅は大阪府にあります。
さらに、伊予のほかに阿波、越前、摂津、紀伊と旧国名が付く駅がたくさんあります。
さらにさらに、郡山と近鉄と地名や会社名が付く駅もある人気の名称です。
亀岡駅のある嵯峨野線の付け替え(新しい場所への引き直し)による旧線を使ったトロッコ列車専用のトロッコ亀岡駅もあります。
保津峡とか風光明媚な場所ばかりなので機会があればぜひ。
ただ、兵庫県にある北条鉄道に北条町駅があったり、その前身が国鉄の北条線だったことから、伊予の名称が付いたと思われます。
瀬戸内海を挟んで反対側の山陽本線の駅ですね。
この「横田」も人気の名称で、会津、播磨、石見、出雲とそれぞれ旧国名が付く横田駅があります。
この駅は昭和61年に開通した内子駅とを結ぶ支線の駅名に共通して伊予と付いているのでその名称規則に沿っていると思われます。
中山駅も割と見かける名称で、安芸、羽前、下総、飛騨と旧国名が付いている駅のほか、会社名が付いている京成、2つの地名の合成駅名で濁音から始まる珍しい原木中山(ばらきなかやま)駅なんてのもあります。
ただ、こちらも上の2駅と同じく共通して付けた名称だと思います。
競合する地名もほとんどないので、伊予国にあるよ!ってのをアピールする名称なのではないかと推測しています。
なお、お隣の下灘駅は伊予がつきません。
ちなみにラーメンのジャンルである長浜ラーメンはここではなく福岡市が由来です。
ただ、歴史的に考えるとこちらの方が古いので、伊予上灘駅と同じ理由なのではないかと思います。
隣の上川駅までの距離が37キロほどある日本一隣の駅が遠い駅で有名ですね。
37キロというと、松山城からこの伊予白滝駅までの直線距離とほぼ同じです。
大洲の名前の愛媛県の大洲が一番有名だと思うので、あえて付けた名称でしょう。
最近ではお城に泊まれたりもしますよ。
どちらも歴史は古いですが、大阪の駅は特に歴史が古く明治22年開業です。
ひらがなの「いわき駅」もありますが、こちらは元々は平(たいら)駅で平成になってから改称しているのであまり関係はなさそうです。
香川県の善通寺駅が開業から3週間ほど吉田駅だったこともありました。
昨年はくじを引いていきましたね。
ただし、伊予宮ノ下駅の方が開業は早く、前述した宇和島鉄道が国鉄になった際に改称されている駅名です。
たまには鉄道にも注目してみよう
はい、そんなわけで生きていく上では特に必要ないけど、まあ知ってればなんかの雑談で役に立ちそうな話題でした。
駅は廃止になったりすると話題になりますが、建物だけじゃなくて駅の名前にも歴史があるのです。
そんなところに注目してみると、ちょっとした外出も楽しくなるかもしれません。
懲りずにこの手の記事はまた書きます。
○いつも旅のスタート地点「伊予三島駅」
住所:四国中央市三島中央3丁目1-37
電話番号:0896-23-2070
窓口の営業時間:6:50〜19:30