トマトのポン酢、さらには映画も!?「企業組合 遊子川 ザ・リコピンズ」がスゴかった!(前編)

こんにちは、南予地域活性化チーム(産業探求班)です!

今回取り上げるのは、西予市城川町遊子川地区でトマトを使った料理や加工品の製造、販売を行う「企業組合 遊子川ザ・リコピンズ」さんです。

お話を伺うため、ザ・リコピンズさんが遊子川で開いている「農家レストラン 食堂ゆすかわ」に訪問してきました。場所は遊子川公民館のお隣です。副理事を務めておられる水口さんに対応していただきました。

ザ・リコピンズの始まり

遊子川は、50年以上前からトマト栽培が盛んな地域でした。しかし、最近では人口が減少し、住民の高齢化やトマト農家の後継者不足といった課題を抱えています。

これらの課題を何とか解決させたいという思いから、2010年に地域住民全員が参加するプロジェクトチーム「遊子川地域活性化プロジェクトチーム(通称:遊子川もりあげ隊)」が発足しました。これがザ・リコピンズの原点です。

2014年には食堂の営業や、加工品の販売を開始。2016年には、取引をより円滑に行うために法人化。現在では遊子川のトマト農家を中心に地域の女性22名が参加し、活動しています。

商品開発裏話 ~ヒントは地域の中に~

商品開発は、メンバーに外部の専門家を交えて行われています。商品には、特産品であるトマトを通じて遊子川のことをもっと知ってもらい、高齢化や後継者不足といった課題に歯止めをかけたいという思いが込められています。

そのような思いのもとに開発されたのが、トマト酢でした。当初は酢づくりのノウハウがなかったため、東京から専門家を招いて勉強したそうです。試行錯誤の末に、1年ほどかけて酢を生産しましたが、今度はどう売ればいいか分からず四苦八苦……。

状況を変えたのは、柚子ポン酢でした。 遊子川では、柚子の生産も盛んであり、多くの家庭で昔から柚子ポン酢を作っていたのです。このポン酢に使う醸造酢をトマト酢に変えてみたところ、大変美味しかった上にトマト酢を大量に活用できるようになりました。

こうして完成した商品第1号がトマトユズポンでした。現在では、イギリスやオーストラリアにも輸出されているザ・リコピンズの主力商品となっています。「ヒントは地域の中にあった」と水口さんは話されていました。

商品の特徴~規格外トマトの有効利用~

見た目が悪く出荷できないトマトを買い取り、農家の活性化につなげる目的から、加工品の材料には規格外となったトマトが使用されています。使用されているのは遊子川特産の生で食べても美味しい品種、桃太郎トマトです。割れや色が着きすぎているだけで、味は整品と何も変わらないとても美味しいトマトです。

苦労・やりがい

農家のメンバーも多く、日々の農作業と並行して活動するのはなかなか大変なことです。

しかし、お客さんが食堂にたくさん来て「美味しい」と言ってもらったり、遠くから商品を買いに来てもらったりした時には、そんな苦労も上回るやりがいを感じられると水口さんは語ります。

オープン当初には「こんなところ、誰が来るん」といった声もあったようです。しかし、現在の食堂が賑わう様子をみて、地域の人からもも喜びの声が聞かれるようになりました。そんな時、少しでも地域活性化に貢献できているのかなと感じられるそうです。

また、「週に何度かこうして集まって、皆で色々な話をしたり、料理などを教え合ったりと地域の交流の場となっていることが実は一番いいのかもしれない」ということも話されていました。こうした交流の場が、地域活性化には重要なのかもしれません。

取材を終えて

取材前、トマトの加工でどうやって地域活性化をするんだろうと気になっていました。取材をしてみて、ザ・リコピンズさんの課題を解決したいという思いの強さや、商品開発から映画撮影まで何でも挑戦してみようという姿に驚き、そして素敵だなと思いました。

前半では、ザ・リコピンズさんの始まりや取組みについて紹介させていただきました。気になる料理商品映画については後半の記事で紹介させていただきます。ぜひご覧ください。

基本情報

食堂ゆすかわ
住所:愛媛県西予市城川町遊子谷2370-1
営業時間:毎週水曜日、第4日曜日 11:00~14:00
電話:0894-89-1663
ハンドルネーム:かぶとむし

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