時刻表から読み解く愛媛県のJRダイヤ改正のポイント【予讃線】
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こんにちは。
KITONARU随一のディープでマニアックな記事の押しつけ役、水曜日担当の菊池です。

今回の記事は読者を鉄道の妙な部分に詳しくしてしまおうという謎企画の後半です。

前回の記事を読んでいない人はまずこちらを読んでみましょうね。

さて、そんなわけで(記事公開時点で)ダイヤ改正を今週末(2020.3/14)に控えた今回は、愛媛県のJRの大部分を占める予讃線(内子線を含む)のダイヤ改正ポイントをお届けします。

ところで、愛媛県のJRは乗換駅がほとんどありませんので、路線名について考える機会はあまりないと思います。
上記や前回の記事でも「予讃線(内子線含む)」と記載していましたが、よくよく考えればこれどういう意味なので?って思う方もいると思います。

せっかくですのでまずはここを説明しましょう。
※なんとなくお察し頂いているとおり、菊池が説明したいだけです。

予讃線と内子線について

予讃線はいわずと知れた伊岐、つまり愛媛県と香川県を結ぶ大動脈の路線です。
ちなみに先週特集した予土線は伊佐を結んでいるから予土線ですし、県外ですが多度津駅から高知駅を経由して窪川駅まで結んでいる土讃線は佐と岐を結んでいるから土讃線です。
でも高松駅と徳島駅を結んでいるのは岐と波だからといって阿讃線ではなくて高徳線なんですね。
なんでだろー?

ま、それはさておき、予讃線は具体的には香川県の高松駅から松山駅と通って宇和島駅までの区間で約300km近くあります。

特徴は愛媛県の方ならご存じの通り、伊予市駅の隣の向井原駅と伊予大洲駅の間で海側と山側の2ルートがあることです。
下灘駅や伊予長浜駅を経由する「愛ある伊予灘線」の愛称がある海側の路線と、内子駅と経由する山側の路線です。

ここに内子線があります。

なんとなく、この山側の路線が全部内子線だと思う方もいると思いますが、実は違います

内子線は内子駅から新谷駅までの5.3kmの区間だけで、それ以外の区間は予讃線(の支線)です。
つまり、山側の部分のうち、向井原駅から内子駅までと新谷駅から伊予大洲駅が予讃線で、その間の区間が内子線です。

これは海側の区間は天候次第で運転見合わせになりやすく、松山と八幡浜・宇和島を結ぶ重要な路線であったことから途中まで完成していた山側の線路をくっつけるために建設したことから、内子線という区間が完成した歴史があります。

なので、内子駅から松山駅方面へ行くときは予讃線に、伊予大洲駅方面へ行くときは内子線に乗車するというのが正しい表現になります。

時刻表の青い部分(内子駅~新谷駅)だけが内子線

松山駅から特急宇和海号で八幡浜駅へ行くとすると、厳密にはこんな感じになっています。
・松山駅~向井原駅:予讃線(本線)
・向井原駅~内子駅:予讃線(支線)
・内子駅~新谷駅:内子線
・新谷駅~伊予大洲駅:予讃線(支線)
・伊予大洲駅~八幡浜駅:予讃線(本線)

そして予讃線は幹線なのですが、内子線は上記の建設の経緯もあって地方交通線という扱いになっています。
地方交通線は、実際の距離が幹線と同じでも運賃が高い特徴があります。

本来は、収益の薄い地方路線は値段を高めにするという趣旨だったのですが、この指定は昭和56年にされたもので、それ以降変更されていません。
その後の情勢の変化で、この内子線のように実情と多少かけ離れている区間もあったりします。
ちなみに予讃線は幹線です。

この内子線、路線全体の長さが5.3kmと非常に短い路線で、日本のJR線では宮島航路(広島県/JRで唯一の船舶路線)の1.0km、宮崎空港線(宮崎県)の1.4km、桜島線(大阪府)の4.1kmに続く4番目の短さです。

ま、実際のところは予讃線と一体運用されているので気にする必要はまったくないんですけどね!!

前置きも長くなりました。
ではいよいよ本題の予讃線ダイヤ改正のポイントを読み解いていきましょう。

新駅「南伊予駅」が開業

瀬戸大橋線以外JR四国は全路線赤字というニュースもあった中でまずは明るい話題です。

新駅が開業します!

伊予市の北伊予駅と伊予横田駅の間に「南伊予駅」が新しく開業します。

JR四国になってからは、5番目に開業する駅です。
4番目に開業したのは高知県の土讃線にある小村神社前駅で、こちらは2008年に開業しています。
つまり、実に12年ぶりの新駅です。
そして大都会東京の山手線にできる新駅「高輪ゲートウェイ駅」と同期ということになりますね。

南伊予駅は特急は停まらない普通列車のみが停車する駅で、松山駅の立体化工事により移転した車両基地(列車を整備したり待機させたりする場所)に隣接しています。
車両基地の移転に協力した地元へのお礼に駅を作ったともいえますが、松山市のベッドタウンとして開発も進んでいる地域ですので需要もあるでしょう。

予讃線の松山駅以東(観音寺駅~川之江駅~今治駅~松山駅)

予讃線の松山よりも東側区間をまずは探っていきます。
この区間では極端に大きな変更はありません。(※発車時間の細かい変更は結構あります)

ただ、20時以降の伊予西条駅~松山駅間の列車が再編成されています。
運転区間が変更になったり運転が取りやめになったり、ダイヤが大きく変わっていたりしますので、この時間帯に日常的に普通列車を使っている方は要注意です。

県外になりますが、観音寺駅行きの普通列車が観音寺駅で別の普通列車に接続して乗り継げるようになっていたダイヤが、一部一本化されていたりします。(乗り換えなくて良くなった)

個人的には、高松駅23時46分発の特急ミッドナイトEXP高松号がこれまで土曜日のみディーゼル列車だったのが、全列車電車になったのが少しさみしく思います。
これにより、多度津駅から松山駅までの区間を走る旅客列車からディーゼル車両の運用がなくなり、すべての列車が電車になりました。
先週のおさらいでいうと、列車番号がxxxxDだったものがxxxxMに統一されたということです。

ちなみに30分近くダイヤが繰り上がっているので、高松でギリギリまで飲んでいたい伊予西条駅よりも東側の方はご注意ください。

予讃線の松山駅以南・内子線(松山駅~伊予長浜駅・内子駅~八幡浜駅~宇和島駅)

こちらは松山駅より東側の区間に比べると少々厳しい現実をみることになります。

下り(松山駅→宇和島駅)では八幡浜駅~宇和島駅間は朝と夜に1便ずつ運転が取りやめになり、この区間の最終列車が1時間15分ほど繰り上がりました。
伊予大洲駅行きが八幡浜駅行きになったりしている列車も複数あります。

上り(宇和島駅→松山駅)は多少まだ穏やかで、朝のダイヤは維持されています。
通勤・通学での需要は評価されているといえます。
ただ、日中は八幡浜駅13時47分発の4922D列車が全区間で運転取りやめになっています。

この列車は超有名駅の下灘駅を経由するのですが下灘駅も列車で訪れる人は実のところあまり多くない現状から、減便はやむなしということだと思います。
下灘駅は、利用者を増やそうと様々な方が努力している中でしたが、下灘駅へ行ける列車が一つ減ってしまいました。
また再び、列車が増えることを願いたいですね。

一方で、特急列車の本数は維持されていますので、都市間移動としての役割は引き続き必要という判断でしょう。

また、松山駅より東側の区間と同じく20時以降のダイヤが再編成されています。
その結果、伊予市駅から内子線経由で伊予大洲駅までの下り最終列車が30分ほど繰り下げられました。

全体的に最終列車の繰り上げが行われている中、レアなケースです。
ただ、その結果、伊予大洲駅から八幡浜駅への最終列車は1時間近く繰り上がっています。

また、夜間では宇和島駅19時37分発の4666D列車が八幡浜駅始発となり、宇和島駅~八幡浜駅の運転が取りやめになったほか、伊予市駅~松山駅の区間運転も複数便が運転取りやめになっています。

まとめ

さて、2週にわたって実にマニアックな内容をお届けしました。
学生でもない限り、おそらくほとんどの人にとってあまり身近な話題ではなかったと思います。

しかし、JR北海道などではどんどん路線が廃止されている現実があり、実際に黒字路線がほとんどないJR四国でももうすぐそうなってしまうかもしれません。

鉄道はバス路線に比べて一度廃止してしまうとインフラ(線路や架線)を撤去するのが一般的なため、再開することはほぼ不可能です。

そうなる前に、もう一度鉄道を見直してもらえると鉄道好きとしてはうれしく思います。

 

○四国随一の街、松山市のJRの玄関口である松山駅
住所:松山市南江戸一丁目
電話番号:089-943-5101
窓口営業時間:4:50~21:00

※この記事は、(株)交通新聞社発行のコンパス時刻表2020年3月号に基づき著者独自の解釈により執筆されています。旅行等の際は最新・正確な情報を確認してください。

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